哲学 学術と考察
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自己犠牲の力によって、自分を犠牲にしている対象への依存度が高く、仮にそれを失った時には「がっかり」するでしょう。 このがっかりを回避するために、異なった意見や指針があるとムキになります。そして勝てないとわかれば、ルサンチマン、つまり奴隷精神の方向へ進みます。幸せとはこういうことだ、それに向かうには、この解釈が正当なのだ、という自己説得です。ルサンチマンは解釈変更による自己説得です。自己犠牲を行ったものの見返りがないケースで解釈変更が起こり、何とか自尊心を保とうとします。この「自己犠牲の見返りがないケース」の解釈変更もルサンチマンの類型です。
確かに考えが同じであれば「一種の同化」にはなりますが、「強い相手と同じになった」という「気分」によって同化しているだけで、思考面ではなく、感情面での判断になります。その手前には、感情を何とかしたい、という衝動があり、「弱々しくなっている」のを何とかしたい、という動機があります。その感情の解消の方法論としての考え方の同化です。この強者との同化も「ルサンチマン」の典型例でしょう。